海外でのスマートフォン、タブレットによるインターネットの利用方法と注意点
卒業旅行シーズンでもあるので、2〜3月に海外へ渡航される方に向けて、普段利用している手持ちの端末(スマートフォン、タブレットによるインターネット)を海外で利用する際の利用方法と注意点をまとめてみました。これから海外への渡航される方は、是非参考にしてみてください。
海外でインターネットを利用するには
海外で手持ちのスマートフォンやタブレットでインターネットへ接続する方法として、次の方法があります。
1.キャリア提供の海外パケット定額サービスを利用する
とりあえず面倒なことをせずに海外で手持ちのスマートフォン、タブレットを利用したい方におすすめな方法です。
Docomo,Softbank,Au各キャリアにおいては、「海外パケ・ホーダイ」や「海外パケットし放題」という名称で海外パケット定額サービスを提供しています。
利用料金は1日最大2,980円ですが、手持ちの端末(スマートフォン、タブレット)1台だけを持ち出すだけで良く、また渡航前後に特別な手続きを行うこと無く、現地に到着したら端末の電源を入れるだけですぐに使えるという点で手軽さがあります。
2.海外で利用可能なモバイルルーターをレンタルして利用する
受け取り・返却の手間と、破損・紛失に配慮しなければならないことを除けば、最もお勧め出来る方法です。
「イモトのWiFi」(グローバルデータ)やグローバルWiFiなどのサービスがあります。
国・地域によりますが1日あたり最低300円から定額インターネット接続が利用できます。
また、複数の端末でインターネット接続をシェアすることができますので、グループで1つのモバイルルーターを共有することで通信料金を大幅に節約することが出来ます。
受け取りは、宅配便あるいは空港にある受け取りカウンターで受け取ります。返却は空港の返却カウンターのポストに投函します。
なお、利用料金は定額ですが使い放題ではありません。一定量の通信量の閾値を超えるとインターネットが利用できなくなる場合があります。こちらはFair Use Policyとして各社の注意事項に示されていますので、ご注意ください。
関連する記事を以下に書いていますので、あわせてご覧ください。
海外向けWiFiルーターレンタルの注意点 :「定額」であるが「使い放題」ではない - 旅モバ
3.プリペイドSIMを購入して利用する
SIMロックフリー端末を持っている方、トラブルがあっても自己解決出来る自信のある方におすすめの方法です。
端末がSIMロックフリーの場合は、プリペイドSIMを購入して利用する方法があります。基本は現地(渡航先)で購入するものですが、一部のプリペイドSIMは、Amazonや楽天等で購入することができます。語学に不安の有る方や、現地で購入出来る自信の無い方は、渡航前に国内で購入するのが良いでしょう。
プリペイドSIMの一例として、米国の場合はReadySIMがあります。こちらは、Amazonで購入することが出来ます。1枚で標準、マイクロ、ナノ各サイズのSIMに対応していますので、SIMカッターやSIMアダプターの追加購入は不要です。現地に到着後に本SIMへ交換して端末の電源を入れると、数分で利用できるようになります。なお、短期間の滞在の場合は1GB、1週間程度の滞在の場合は2GB以上のSIMカードをお勧めします。
Amazonにレビューを書いていますので、詳しくはそちらをご覧ください。
あまり現地でインターネットを利用しない方向けの製品です。普段使いと同じレベルで使いたい方は上位製品をおすすめします。また、テザリング利用には注意が必要です。
「ZIP SIM データ通信(1GB、14日間) 3in1で全てのSIMサイズに対応 」
- メディア: エレクトロニクス
READY SIM データ通信専用500MB 14日間 アメリカ用プリペイドSIM
- メディア: エレクトロニクス
READY SIM トリプルカットで全SIMサイズ(標準・マイクロ・ナノ)に対応 アメリカ本土、ハワイ、プエルトリコで利用可能(通話+SMS+データ通信2GB、30日間)
- メディア: Wireless Phone Accessory
READY SIM トリプルカットで全SIMサイズ(標準・マイクロ・ナノ)に対応 アメリカ本土、ハワイ、プエルトリコで利用可能(通話+SMS+データ通信1.5GB、21日間)
- メディア: Wireless Phone Accessory
4.現地のフリーWiFiを利用する
個人的には、あまりお勧め出来ない方法です。
現地のフリーWiFi(公衆WiFi)サービスを利用することで、通信費を掛けること無く現地でインターネットを利用することが出来ます。
しかし、フリーWiFiは利用可能な場所に制限があります。日本と同様にどこでも繋がるというものではなく、ホテルやショッピングセンター、駅などの特定の建物内でしか利用できない場合がほとんどです。あたかも海外ではどこでもフリーWiFiが繋がるように(日本はフリーWiFiが遅れていると)書いている記事を見かけますが、それはごく一部の国(タイや香港など)で、実際は日本と同程度あるいは日本よりちょっと充実している程度と考えるのが正しいです。
また、3G/4G回線ほどセキュリティは高くありません。SSIDを選択するだけで繋がるアクセスポイントは、WPA等の通信の暗号化が行われていないため、通信内容が盗聴される可能性がありますので、盗聴されると困るような重要なデータをやり取りする場合はHTTPS(SSL)に対応したサイトを利用する、VPNを利用する等の対策が必要となります。
なお、企業や自治体等が提供するものではなく、一般家庭や企業が暗号化を行わずに無線LANアクセスポイントを設置している場合があります。接続するとインターネットを利用することは出来るかもしれませんが、安全ではありません。前述のフリーWiFiと同様に情報が盗聴される可能性がありますし、ウイルスへの感染や端末への不正侵入等を行う目的で意図して(悪意を持って)設置されているアクセスポイントも存在しますので、このようなアクセスポイントへの接続は避けるべきです。
海外でインターネットを利用する際の注意点
モバイルルーターやテザリングで使用される場合ですが、スマートフォンやタブレットの「自動ダウンロード機能」や「自動アップデート機能」に注意しましょう。現地へ到着する前に端末の「自動ダウンロード機能」や「自動アップデート機能」は切ることを強くお勧めします。
「WiFi接続時のみアプリの自動アップデートや自動ダウンロードを行う」設定は、モバイルルーターやテザリング接続の場合意味をなしません。テザリング接続はWiFiで繋げる(繋がる)ためです。したがって、もし自動アップデートや自動ダウンロードが有効な場合、思わぬデータ量の消費が発生し、いざ使おうとしたときにはデータ量残りわずかという問題が発生する恐れがあります。現地到着後、数十分から1時間で使えなくなってしまったという状況も起こりかねません。
そのような問題で不幸な結果にならないためにも、事前に設定を変更しておきましょう。